
長い間、言葉の壁が往々にして日中間の行き違いを助長することを痛感してきた。会議でも、多くの日本側参加者は「自分の発言が正確に中国側に伝わっている」ことを疑わないが、両者を比較して聴いている人間からすると、たとえ「お節介」になっても口を挟まずにはいられないような誤訳が多い。まして大部な著作や専門性の高い資料など、翻訳の正確さが検証されにくい領域(特に日本語から中国語への翻訳)では原典の意味がほとんど伝わっていない誤訳・手抜きがごまんとあるのが現実だ。
このように 問題が山積する日中翻訳の現状の中で、 風樹の翻訳の質の高さは「別格」といえる。「正確さ」は当然として、訳文の自然さ、原典の持つテイストの再現にまでこだわる姿勢は高く買える。 私の場合、拙著『中国台頭』を風樹社長の李琳さんに翻訳してもらった。翻訳の全てを自分で検証したが、誤訳がないだけでなく「中国人はこの点についてこういう先入観を持って読んでいるから、意味を正しく取らせるためには、表現上こういう工夫が必要だ」など、私では思いつかない貴重なアドバイスもたくさんもらった。
この「成功体験」に味をしめ、いま経営している投資ファンド会社でも風樹に投資事業に関する専門的な資料、投資契約書や弁護士の意見書など翻訳上の難度の高い種々の資料を大量かつ日常的に日中・中日翻訳してもらっている。私はそのサービスの質・スピードともにたいへん満足している、というより風樹の助けなしには当社のような国境をまたぐ投資ファンド事業は成り立たないのではないかとさえ感じている。日中間の情報発信をこれだけ高い水準でサポートできる会社が日本国内に誕生したことは慶賀の至りである。 |